岩手県立視聴覚障害者情報センターだより  タペストリー No.45 2021年2月1日発行 表紙 接遇講座 白杖についての講義中。熱心に聴講している受講者の皆さん。 手の向きに注意して、講師と一緒に手話の挨拶を学んでいます。 関連記事は3ページ上段 手話と字幕の番組「目で聴くテレビ」 制作 それいけ!くいしんぼ 瓶ドンお取り寄せ 関連記事は5ページ上段 写真が3枚あります 1枚目 接遇講座の受講者が白杖についての講義を熱心に聞いています 2枚目 接遇講座の受講者が手の向きに注意して手話の挨拶を学んでいます 3枚目 聴覚部門制作「目で聴くテレビ」の一場面、出演者の二人が瓶ドンを美味しそうに 食べています 1「新年のごあいさつ」 所長 大芦洋悦 新年あけましておめでとうございます。 令和3年の新春に当たりまして、 新しい年が希望に満ちた一年になることを心から望み、 社会に安全・安心がもたらされることを念願してやみません。 令和2年は、年初から新型コロナウイルス感染症が発生し、4月から5月にかけては新型 コロナ特措法に基づく緊急事態宣言が発出されるという事態に至りました。 当セン ターの運営もその影響を強く受けて、多くの事業を令和2年度当初から中断や延期しなけ ればならなくなり、利用者、関係者の皆様に大変な御心配をおかけすることとなってしまい ました。 新型コロナウイルス感染症の第1波が去り、6月から事業の再開を進め、一部に中止のや むなきに至ったものがあるものの、各種の養成講習会は中止することなく実施し、予定して いたカリキュラムを年度内に終えることができそうだと思っていたところに第3波といわ れる状況に見舞われ、 本県でも多くの感染者が確認される事態となっています。更に1月7 日には再び首都圏に緊急事態宣言が発出されました。今後の事業運営については、 こ の事態に対応して取り組んでいく必要がありますので、利用者、関係者の皆様にはホームペ ージ等での情報発信に御注意いただきたいと存じます。 視聴覚に障がいのある方の文化・教養の向上や情報保障の拡充のために、点訳、音訳等 の各奉仕員、手話通訳、要約筆記等の意思疎通支援者の養成は大変重要な事業であり、コロ ナ禍の状況にあっても進めて参りましたが、今後の事態の推移を見守りながら、できるだけ 予定通りに講習日程を進めるべく努力したいと考えています。 このような状況にあっても、感染防止策を徹底して皆様に安心して御利用いただけるよ う職員一丸となって取り組んで参りますので、本年も当センターの運営に御理解、御協力を いただきますようよろしくお願い申し上げます。 2「令和2年度視聴覚障がい者対応接遇講座」 当センター研修室において、視覚障がい者対応編を11月4日(水)に、聴覚障がい者対応編を 11月20日(金)に開催しました。この講座は、当センターが入居しているアイーナや近隣の マリオス及び盛岡駅周辺で働く方々が参加し、障がいへの理解を深め、障がい者に対して適切な 接遇ができるようになっていただくことを目的に開催したものです。 4日は16名、20日は15名の方々にご参加いただき、視覚障がい・聴覚障がいについて の講話や、視覚障がい者への誘導の仕方、ヘッドホンを装着しマスクをした状態での難聴 疑似体験、筆談や手話のワンポイントレッスンなど簡単な実技を交えての講座となりまし た。また、日頃「質問シート」を準備して接遇している等職場での実際の取り組みを聞いた り、課題点などを話し合うことで情報共有する良い機会となったようです。 この講座を受講された方々に職場や日々の業務の中で役立てていただき、また日常の生 活場面でも障がいについて理解を深めていただければと思います。 写真が2枚あります 1枚目 センター内の通路に置かれた障害物を避けながら誘導する体験をしています 2枚目 聴覚障がいシャへ分かりやすく伝える書きカタのポイントを学んでいます 3「バリアフリー映画会『長いお別れ』」 11月29日(日)、バリアフリー映画会を開催しました。当センター主催、岩手県立図書 館共催事業であり、今回は新型コロナウイルス感染症対策のためアイーナ804会 議室での開催となりました。広い会場でソーシャルディスタンスをしっかり取り、参加者の 皆様には入場前の検温、消毒、マスクの着用にご協力いただき、対策を万全にしました。 上映作品は、直木賞作家中島京子原作の「長いお別れ」です。認知症を患い、ゆっくり記 憶を失っていく父とその家族のお別れまでの7年間を描いた、心温まる作品です。 初めてバリアフリー映画会に参加した方は、音声ガイドを体験し、驚いた様子でした。 「音声ガイドがあることで、 ただ観るだけでは気づかなかったことに気づくことができた」 「もっとバリアフリーの作品が増えるといい」といった声をいただきました。今後も、障が いの有無にかかわらず、皆で楽しめるバリアフリー映画会を開催していきたいと考えてい ます。 写真が2枚あります 1枚目 司会者が手話通訳付きで話しています 2枚目 広い会場で席を離して映画を鑑賞しています 4「コンパクト10スピーチ展示会」 令和2年11月19日(木)から24日(火)、標記展示会を行いました。例年、視覚部 門では多数の業者をお呼びして情報機器展を開催していますが、今年度は新型コロナウイ ルス感染症対策として、1組ずつの事前予約制としました。「コンパクト10スピーチ」は 株式会社システムギアビジョンから新発売された携帯型の拡大読書機で、音声読み上げ機 能が付いている点が特徴です。読書モードや読上げモードで本を読んでみたり、新聞やちら しを拡大したり、遠方モードで遠くの掲示物を眺めてみるなどの体験をしていただきました。 職員がゆっくりと説明しながらでき、利用者からも体験してみての感想や、ここがもっと 改善してほしいという具体的なお話を聞くことができました。 今年度は利用者の方々との交流の機会も減ってしまいましたが、久しぶりにお会いする 方もいて貴重な機会となりました。 皆さんのニーズを聞きながら、今後も企画を検討して いきたいと思います。 写真が2枚あります 1枚目 コンパクト10スピーチの白黒反転の表示状態です 2枚目 利用者さんが職員の説明を聞きながら、読み上げモードを体験しています 5「身体障がい者パソコンサポーター養成講習会2期」 令和2年度身体障がい者パソコンサポーター養成講習会2期を11月7、8、12、 13日に当センター映写室で開催しました。 講習内容はサポートに必要な法律、支援体制、視覚と肢体の障がいの特性、サポートの心 構えやガイド方法、障がいの特性にあったWindowsやソフトの設定と2人一組で一人が画 面をみないで、別の一人のガイドでパソコンを操作する実習を行いました。受講者3名全員 が講習を修了して、身体障がい者パソコンサポーターの登録をし、1期と合わせて 6名の身体障がい者パソコンサポーターが誕生しました。 6「奉仕員表彰」 当センター点字図書館部門の図書製作を支えてくださっている奉仕員の方々の、表彰が 決定いたしました。 おひとりおひとりの奉仕に、心から感謝申し上げます。 表彰を受けられたのは次の方々です。(敬称略) ボランティア功労者厚生労働大臣表彰 吉田 貴美(点訳奉仕員) 岩手県知事表彰 道又 百合子(音訳奉住員) 野野崎 明美(音訳奉仕員) 鉄道弘済会朗読録音奉仕全国表彰 田中 淳(デジタル録音図書編集奉仕員) 神厚子(音訳奉仕員) 7「自主制作ビデオ完成!!」 障害者放送通信機構「目で聴くテレビ」とは聴覚障がい者のための放送局です。全国各 地域の番組などを手話・字幕付きで放送しています。聴覚障がい者向けDVDの制作を行って いる全国各地の聴覚障害者情報提供施設が同局に対して番組制作協力を行ってお り、当センターも協力しています。 今回提供したのは、「宮古市の体験型グルメ『 瓶ドン』をお取り寄せ」です。今回初めて 現地には行かず、リモートで打ち合わせや撮影を行いました。牛乳瓶に入った宮古の旬の食 材をホカホカのご飯に丸ごとかけて食べる!口の中に入れた瞬間「しあわせ」がこみあげて きます。コロナ禍の中、遠出は難しいけど・・・美味しいものが食べたい!という方に美味し いお取り寄せをご紹介しています! 写真が1枚あります ちいさめの牛乳瓶に入った「瓶ドン」3種類とパッケージが並んでいます 8「要約筆記者養成講習会スタート」 11月21日、令和2年度要約筆記者養成講習会がスタートしました。当初は8月開講予定 でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で3か月遅れのスタートとなりました。 手書きコース9名、パソコンコース9名、あわせて18名の受講者を迎え、開講式を行い ました。開講式では岩手県中途失聴・難聴者協会の畠山修理事長より、要約筆記者の重要 性、AIなどの技術が進歩するなか、「心」をもつ人間でなければ果たせない役割について、 お話をいただきました。 初日は新型コロナウイルス感染症対策の一環として、講師はWeb会議システム「Zoom」 を利用して、遠隔での講義を行いました。 令和3年12月までの1年1か月間、計26回の講座と長丁場になりますが、感染対策に 十分留意し、要約筆記者の養成に努めてまいります。 写真が2枚あります 1枚目 要約筆記者養成講習会開講式の来賓のご挨拶です 2枚目 Zoomを使って講義を受けています 9「移動ライブラリー」 盛岡聴覚支援学校 一関清明支援学校で開催 11月11日は盛岡聴覚支援学校へ、11月26日は一関清明支援学校へ移動ライブラリ ーがおじゃまいたしました。 盛岡聴覚支援学校は小学部ホールでライブラリー説明会とDVD貸出を行いました。 一関清明支援学校は図書室で、小学部は「動物の赤ちゃん大集合!」を、幼稚部は「僕、 はなかっぱ」を上映し、楽しく鑑賞していただきました。情報センターにはたくさんの字幕 (手話)入り作品がありますが、その中から250本程のDVDをお持ちしました。貸出コ ーナーで作品を選ぶ児童たちの笑顔で会場いっぱいに賑わっていました。 写真が2枚あります 1校目 盛岡聴覚支援学校の児童の皆さん 2枚目 一関清明支援学校の児童の皆さんそれぞれ、希望の作品を選んでいます。 10「お知らせ」 「タペストリー」は当センターホームページからでもご覧になれます。 全体 年度末の国書貸出等の停止について 3月25日(木)から3月30日 (火) 年度末の資料整理及び点検のため、点字・録音図書、DVD、情報機器の貸出等のサービ スを停止いたします。この期間は視覚部門閲覧室への人室ができません。録音室、研修室等 の施設利用は可能です。 また、3月31日 (水) はセンター休館日です。ご不便をおかけしますが、ご理解ご協力 お願いいたします。 聴覚部門 施設利用の一部制限について 2月20日(土)17時から21日(日)17時まで 「令和2年度岩手県要約筆記者登録試験」実施のため、聴覚部門内フロア全室がご利用い ただけません。 ご不便をおかけしますがご理解ご協力をお願いいたします。 11「職場研修」 「アイーナ止水板設置訓練」 アイーナは盛岡市防災マップでは 5メートルから10メートル未満の浸水が予想されており、万が一に備え 止水板が設置されています。そこで、10月の職場研修はアイーナの施設管理者の方のご 指導のもと、当センターが設置担当となるエリアで、止水板設置を行いました。器具の使い 方、資材の運び方を体験し、安全に素早く設置できるよう確認することが出来ました。 写真が2枚あります 1枚目 止水板を二人一組で枠にはめ込んでいます 2枚目 止水板設置完了130センチほどの高さになりました センター職員が設置完了した止水板の隣に立っています 12「職員エッセイdeリレー」 「拍手の音」 点字校正員 佐賀 善司 パーティやセレモニーには付き物の拍手。視覚障がい者は、拍手の音で会場の広さや参 集者のおおよその数、自分が会場のどの辺りにいるかがわかる。MCの紹介の後やや間を置 いて拍手が起これば「ゲストが登壇して一礼したんだな」と見当がつくし、賞状の朗読に続 く拍手はご褒美が受賞者に手渡されたことを示すから、自分も手をたたいて賛辞を送ることができる。 聴覚障がいの人がたくさん参加する集まりに出たとき、拍手の音がしなくて面食らった ことがある。(手話の拍手は掌を打ち合わせませんよね)「音が頼りの人間もいるのに・・・」と も思ったけれど、翻って聞こえる者は、聴こえない人に思いを伝える自前の手段をもってい るだろうか?通訳者が手話や要約筆記で表現しやすい話し方を心掛けているだろうか?と 考えてしまった。 (次回は野中信子情報支援員にバトンタッチ) 次回令和3年5月20日発行予定 発行/岩手県立視聴覚障がい者情報センター 〒020-0045 岩手県盛岡市盛岡駅西通1―7―1 いわて県民情報交流センター(アイーナ)4階 電話 019-606-1743    FAX 019-606-1744 メール iwatesan@aiina.jp URL http://www.aiina.jp/facility/sityoukaku/sityoukaku.html 「タペストリー」とは 皆で持ち味や個性を織り糸にして、創りあげるセンター、との願いです。感想・ご意見等ありましたら、お寄せ下さい。