岩手県立視聴覚障がい者情報センターだより タペストリーNo.43  2020年6月10日発行 表紙 点字のルールになるほど 地図を読むって・・・。 作って楽しい!!食べておいしい!! (関連記事は5ページです) 写真が5枚あります 写真1 令和元年度点字・音訳・手話・要約筆記体験スクールで、参加者が自分の名前を点字で書き、講師に確認してもらっています 写真2 音訳の体験会で原稿を読んでいます 写真3 聴覚部門の文化・学習・レク「和菓子作り」の参加者の笑顔の集合写真です 写真4 講師の説明を参加者が手話通訳をとおして聞いています 写真5 講師が作った、色とりどりの和菓子が並んでいます 1「所長挨拶」 大芦洋悦 令和2年度の事業実施に当たりまして、日頃、当センターを御利用いただいております多くの皆様、運営等に御協力をいただいております関係の皆様に厚く御礼を申し上げます。 当センターは、身体障害者福祉法に規定された点字図書館と聴覚障害者情報提供施設の両施設を一体として運営していることから、昨年度には視覚に障がいのある方と聴覚に障がいのある方の支援機器展を「目と耳のコミュニケーションフェスタ」として合同開催する等、これまで両施設の特性を組み合わせて、視覚に障がいのある方と聴覚に障がいのある方及び両障がいの関係団体の交流を図るユニークな活動を展開して参りました。今後とも全国的には数の少ない両施設を一体として運営しているという当センターの特性を活かして参りたいと考えておりますので、御支援、御協力をいただきますようお願い申し上げます。 さて、本年度は新型コロナウイルス感染症のパンデミックという経験したことのない未曾有の事態のなかでのスタートとなりました。4月7日には「新型コロナ特措法」に基づく緊急事態宣言が7都府県に発出され、4月16日には全国に拡大されるという緊迫した情勢が続きましたが、5月25日に全国すべてで解除となり収束の方向に向かっているようです。 本県は全国で唯一感染者が発生していない状況(5月末現在)ではあるものの、当センターの事業にも影響は出ており、延期、中断等のやむなきに至った事業もありますが、緊急事態宣言の解除を受けて、感染防止に配慮しつつ、できるだけ早く正常な事業運営を取り戻したいと考えておりますので、ホームページ等での情報発信に御注意いただきたいと存じます。 利用者の皆様におかれましては、国等が呼びかけております様々な感染防止策を実践されて健康にお過ごしいただきますとともに、元気に安心して当センターを御利用いただけるように取組みを進めて参りますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。 2「令和2年度重点事業 視覚部門」 視覚部門では、4月10日に開催した点訳・音訳・録音図書編集・ITサポート体験会を皮切りに今年度の事業がスタートしました。 点字図書、録音図書を製作する奉仕員養成講習会については、既にお申し込みを頂いた方もおりますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、7月以降に開催を延期し、実施する予定です。この講習会は、約1年間の長丁場となりますが、良質な図書を利用者の皆さんにお届けできるよう、各講師の協力を得ながら、奉仕員の育成に取り組んでまいります。 「奉仕員のつどい」や「機器展」につきましては、開催が流動的となっております。また、昨年度好評を得ました、iPhone、らくらくスマートフォンの操作基礎を学ぶ「NTTドコモハーティ講座」につきましても、状況が落ち着いてから企画できればと考えております。 このような状況下ではありますが、利用者の皆様からアンケートでいただいたご意見を参考にしながら、お役にたてる情報の発信に努め、より良いサービスの提供が出来るよう臨機応変に取り組んでまいります。 3「令和2年度重点事業 聴覚部門」 手話通訳者養成事業及び要約筆記者養成事業では、昨年度それぞれ6名の合格者を出すことができました。講師の皆さまはじめ、多くの方々のお力添えにこの場を借りて感謝申し上げます。今年度は2年間の養成課程の初年度にあたります。手話は5月から、要約筆記は8月からの開講を目指していましたが、新型コロナウイルスの感染防止の観点から、日程の変更を検討しているところです。 ビデオ制作については、「目で聴くテレビ」への番組提供を9月以降に行う予定です。また、従来の「ぷちたぺビデオミニニュース」の他に、身近な情報をスピーディーに随時配信していきます。ホームページからアクセスできますので、是非ご覧ください。 その他にも「機器展」、「文化・学習・レク事業」、「移動ライブラリー」、「パソコン個別サポート」など、今年度も実施する予定でいますが、今後の情勢の推移を見極めながら、予定が固まり次第、皆さまにお知らせして参ります。 3「点訳・音訳・録音図書編集奉仕員・ITサポート体験会」 4月10日(金)、視覚部門の図書製作奉仕員及びITサポーター体験会を開催し、県内から約20名の方々にご参加いただきました。 今年度は、点訳、音訳、録音図書編集、ITサポートの4つの体験コースに分かれ、時間を午前と午後の各1時間ずつと設定し、希望のコースを体験してもらいました。 点訳は点字の読み方や点字器を使って書く体験、音訳はマイクの前で原稿を読み、パソコンを操作しながら録音をする体験を行いました。 録音図書編集は録音した音源をパソコン編集ソフトを使ってCDに編集する体験、ITサポートは音声読み上げソフトを使用して、マウスを使わずに操作する体験などを行いました。 当日は、新型コロナウイルス感染症予防対策として「三密」を避け、消毒や換気を行いながらの実施としたために、体験者の皆さんにはご不便をおかけしましたが、ひとつのコースに絞ってじっくり体験していく方や4つのコースをひととおり体験される方もおり、点字図書と録音図書が奉仕員の手によって、どのように製作されているのか、またはITサポーターの活動を知っていただく良い機会となりました。 写真が2枚あります 写真1 参加者2人がパソコンを使った点訳を体験しています 写真2 パソコンを使って、デイジー図書編集の体験をしています 5「視覚障がい・肢体不自由の方へのパソコンサポートについて」 当センターでは、視覚に障がいのある方、肢体不自由の方へパソコン操作の個別サポートを行っております。 パソコンの電源入切、キーボードのみを使用して操作する方法など、それぞれの特性に合わせたサポートを実施いたします。「代わりにやってあげる」のではなく、「ひとりで操作できるようになるためにはどうしたらよいか」を考え、サポートいたします。 今年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、まだ開始しておりませんが、今後の見通しについてはホームページ等でお知らせいたします。 担当:IT推進専門員 佐々木昌広 6「令和元年度点字・音訳・手話・要約筆記(筆談)体験スクール開催」 1月25日(土)当センター研修室にて、18名の参加により開催しました。 点字の成り立ちや書き方の説明に続き、参加者個々の氏名を点字器を使って書き、講師が添削、ほとんどの方がご自分の名前を書くことができていました。 音訳は小説、路線図、家電の取扱説明書の録音を聞いてから、口の体操や、早口言葉にチャレンジ。例えば「お綾や 親にお謝り お綾や八百屋にお謝りとお言い」を早口言葉で発声し、なかなか上手にお読みになっていました。 手話の体験では、家庭の中の音にはどんな情報があるのか考え、聴覚障がい者はその情報をどのように得ているのかを理解したあと、挨拶の手話を覚えて隣の席の人と楽しく、にこやかに挨拶していました。 要約筆記体験では、「速く」「正しく」「読みやすく」の三原則があり、そのためのルールについて説明を受けたあとで、いざ!筆記。読み手にわかりやすく書くって、難しいという感想が聞こえてきました。 最後は、岩手盲ろう者友の会会員さんから、視覚と聴覚に障がいを持つ人たちの暮らしとその方たちをサポートする介助員さんについて紹介いただきました。今回も一日で様々なことが理解できるので、とても良いと好評でした。 写真が2枚あります 1枚目 岩手盲ろう者友の会の方が盲ろう者の暮らしについてお話をしています 2枚目 難聴者・中途失聴者への情報提供支援である、要約筆記の体験をしています 7「手づくりの和菓子でみんなもほくほく♪ひな祭り和菓子体験」 2月11日(火・祝日)に当センター研修室で、令和元年度2回目の文化・学習・レクリエーション事業として「作って楽しむ〜ひな祭り和菓子〜」を開催。18名のかたたちに参加いただきました。講師の竹芳・長澤武久さんの手が造り出す、梅・桃の花やうぐいすなど、四季折々の和菓子に感動。参加者もひな祭りの時季をイメージした、2種類の和菓子づくりを体験、1個は実食、1個はお持ち帰りとしました。講師の楽しいお話も加わり、美味しく楽しい時間だったとの感想が聞かれました。今年度も楽しい企画を考えてまいります。 写真が2枚あります 1枚目 和菓子の生地であんを包んでいる講師を参加者が取り囲んで見入っています。 2枚目 自分たちで作った和菓子を試食中です。 8「完成しました!!自主制作DVD」 自主制作最新シリーズ「とクちゃんのしっとク!なっとク!〜困った時の110番アプリ使い方を覚えよう〜」が岩手県警察本部協力のもと完成し、4月から字幕(手話)入りビデオライブラリーに加わりました。「110番アプリ」とは聴覚や言語に障がいのある方など音声による通話が困難な方が警察に通報するための専用のアプリで、日本全国どこからでも利用することができます。事故や事件等に遭遇、周りには自分ひとりしかいない!となったとき「110番アプリ」を使って警察へ通報!の流れを『岩手県警察本部通信指令課キャラクター、いわてまもる係長』を交え、字幕・手話付きで分かりやすい内容で制作しております。ぜひご覧ください!! このほかにも、自主制作DVDには「ご存知ですか?NET119」や「減災を考える〜もしものときの日頃の備え〜」等々ございます。どうぞご利用ください。 写真が3枚あります。 1枚目 岩手県警察署員と、当センター職員が並んで敬礼をしています。 2枚目 「こんな時は110番」の事例のイラストがあります。 3枚目 当センター職員が不審者役になり、出演している様子の写真です。 9「令和2年度岩手県盲ろう者通訳介助員養成講座のご案内」 視覚と聴覚の二つの障がいを持つ方々を「盲ろう者」と呼んでいます。 「盲ろう者」の社会参加への支援をしていただく方々を養成します。 受講対象者  盲ろう者の手伝いをしたい、また、活動に興味のある、18歳以上の方 ・募集人数  20名(定員になり次第締切) ・申込み締切  令和2年8月30日(日) ・受講料  テキスト代1,728円(予定)のみ ・講座日程  9月13日(日)、20日(日)、27日(日)、10月10日(土)、18日(日)、25日(日)、11月3日(火・祝日)、8日(日)、15日(日)、22(日)、全10回 ・毎回10時〜15時30分 最終日は12時30分終了 ・会場 岩手県立視聴覚障がい者情報センター 研修室又は映写室 ・申込・問合せ先  岩手盲ろう者友の会 事務局 佐々木 電話 090−6781−5054 FAX 019−606−1747 メール iwate_db@yahoo.co.jp 10「職員紹介」 令和2年度もよろしくお願いします 職員の顔写真を、今年の干支、ネズミのイラストの中にはめ込んでいます。職名、氏名、担当業務、ひとことの順に書いています。 副所長 庄司智子  運営・業務全般、ぜーんぶみてます。 支えてくださる皆さんと職員が健康で笑顔で過ごせるように、と願う毎日です。 情報支援主査 千葉里美  視覚部門の総括  奉仕員養成事業や表彰関係等 「笑う門には福来る」をモットーに何事にも笑顔で前向きに頑張りたいと思います。 情報支援員 熊谷ゆき子  点訳奉仕員養成講習・研修、プライベートサービス、専門技術提供(点訳)、情報機器の普及(機器展)・貸出、スクール、接遇講座等 点訳担当4年目、やっと慣れてきましたがまだまだですね…。頑張ります! 情報支援員 田上礼子  音訳・音訳校正奉仕員の養成、テキストデイジー製作、情報支援機器の相談支援 身体障がい者パソコンサポーターの派遣など 新たな業務が加わり、新しいことを学べるとワクワクしております。 情報支援員 遠藤綾  デイジー図書製作、デイジー図書編集奉仕員養成、録音雑誌の貸出、施設予約、 ボランティア駐車場 利用者の皆さんに楽しんでいただける録音図書製作を目指します。よろしくお願いいたします。 情報支援員 後藤亜希子  点訳図書製作、タペストリー等 今年度でセンター勤務3年目となりました。月日の流れの早さに驚きを隠せません。一日一日を大切に過ごしていきたいです。 点字校正員 佐賀善司  点訳奉仕員の方々との点字図書製作、新着図書のお知らせや『タペストリー』の点字版製作 もしも点字の間違いを見つけたら教えてくださいね。これからもよろしくお願いします。 事務員 小田嶋玲子  図書貸出、新着案内発行、中途失明者の点字習得に関することなど 外出がままならない今、読書のニーズが高まっていると感じています。皆様のお手元に少しでも早く、より多くの図書をお届けできるように頑張ります。 音訳校正員 齋藤弘子  音訳図書校正、音訳養成講習技術指導、プライベートサービス、対面朗読 業務が円滑に進むように努力して参ります。 IT推進専門員 佐々木昌広  身体障がい者パソコンサポーター養成講習会、視覚障がい者・肢体不自由者のためのパソコン研修(個別サポート)等 今年度もよろしくお願いします。 主任情報支援員 小原淳  聴覚部門の総括、予算、要約筆記者養成、盲ろう通訳・介助員委託事業 今年も自主制作ビデオに出演して、個性派俳優を目指します! 主任情報支援員 赤坂佳子  タペストリー編集、手話通訳者派遣、手話通訳者特別研修、機器展、文化・学習・レクリエーション タペストリー編集担当に返り咲きました。ご意見、ご感想をよろしくお願いします。 主任情報支援員 齋藤智子  手話通訳者養成・研修事業、登録試験事務、聴覚障害者生活相談、字幕素材収集等 聴覚障がいを持つ職員として「当事者目線」を大切に、健康に留意(減量含む)しつつより良い支援ができるよう努めます。 情報支援員 鳴尾芙美  要約筆記者養成・研修事業、要約筆記通訳派遣、盲ろう関係団体との連絡調整 引き続き、日々勉強のセンター勤務です。今年度も誠実な対応に努めて参りますので何卒よろしくお願いいたします。 ビデオ制作専門員 小田島彩子  自主制作(DVD・撮影・編集)、字幕ボランティア技術指導、聴覚障がい者個別パソコンサポート等 利用者の皆さまに喜んでいただけて役に立つ映像制作・字幕制作を頑張ります!今年度もよろしくお願いいたします。 情報支援員 野中信子  要約筆記通訳派遣、要約筆記者養成講習、字幕(手話)入りビデオライブラリー、県内サークルの情報収集等 要約筆記者養成では、全国統一試験合格者がひとりでも多く出るよう努めてまいります。 情報支援員兼手話通訳支援員 杉立美紀子  手話通訳者派遣コーディネート、手話通訳者特別研修、ミニスクール、バリアフリー映画上映等 当センターお越しの際はお声をかけていただけると嬉しいです。今年度も笑顔で皆様をお迎えしますので、どうぞよろしくお願いいたします。 情報支援員 徳江真史 字幕ボランティア活動の連絡調整、聴覚部門広報誌(ぷちたぺ)、機器貸出、文化・学習・レクリエーション企画等 今年で3年目です。おかげさまでいつもご来所される皆さんから元気をいただいております。日々の新しい発見と挑戦する心を忘れずに頑張ります。 11「お知らせ」 「タペストリー」は当センターホームページからでもご覧になれます。 YouTubeにて手話・字幕入り動画「ビデオミニニュース」配信中!  当センターでは、聴覚部門ビデオ制作スタッフが撮影・編集・字幕挿入し、YouTube動画配信しています。  当センターホームページトップのメニュー「ビデオミニニュース」から入るか、QRコードからどうぞ。 ぜひ、チャンネル登録をお願いします!ご感想もお待ちしております。 岩手県立視聴覚障がい者情報センターの公式YouTubeチャンネル 手話・字幕入りビデオミニニュースのQRコードが掲載されています。 写真が2枚あります 1枚目 新型コロナウイルス関連について、手話でお伝えしている画面です。 2枚目 毎月配信している、聴覚部門広報紙ぷちたぺ3月号の画面です。 12「職員 エッセイ de リレー」 初夏の思い出 情報支援主査 千葉里美  5月になると思い出すことがある。  今は中学生の息子がまだかわいらしかった4歳の夏、どうしてもとせがまれてつがいのカブト虫を買った。息子は大喜びし、2匹に「ルフィ」と「ゾロ」と名付けた。おがくずを敷いた飼育ケースに虫ゼリーを入れ、名を呼びながらかわいがる様子はとても微笑ましかった。しかし、カブト虫は夜行性、息子が起きている時間帯はおがくずの中に潜り、全く姿を現さない「ルフィ」と「ゾロ」に見向きもしなくなるのにそう時間はかからなかった。  忘れ去られた虫たちを不憫に思った私は、息子の代わりに夜な夜な霧吹きで水分を与え、おがくずや虫ゼリーの交換を怠らなかった。  やがて「ルフィ」と「ゾロ」は天に召され、ケースに残ったのは数匹の幼虫たち。もはや土の塊と化した彼らに、家族の誰一人も興味を示すことはなかった。  一層不憫に思った私は、夜な夜な霧吹きで水分を与え、糞の始末や土の交換等、半ば意地になって世話をした。  本格的な夏にはまだ早い5月のある夜、不審な物音に目が覚め、恐る恐る見に行った。  そこで見たものは…飼育ケースの蓋をこじ開けて元気に飛び回る小ぶりのカブト虫。  5月になると必ず思い出すのだ。  育て上げた達成感と、その後からこみあげてきた、またいちから始まるの!?という何とも言えないあの気持ちを。 (次回は熊谷ゆき子情報支援員にバトンタッチ) 発行/岩手県立視聴覚障がい者情報センター 〒020-0045 岩手県盛岡市盛岡駅西通1―7―1 いわて県民情報交流センター(アイーナ)4階 電話 019-606-1743    FAX 019-606-1744 メール iwatesan@aiina.jp URL http://www.aiina.jp/facility/sityoukaku/sityoukaku.html 次回 9月20日発行予定 「タペストリー」とは 皆で持ち味や個性を織り糸にして、創りあげるセンター、との願いです。感想・ご意見などありましたら、お寄せ下さい。