岩手県立視聴覚障がい者情報センターだより タペストリーNo.59 2025年10月10日発行 表紙 奉仕員のつどい 一日フリースクール 写真が4枚あります。 1枚目 受賞者の皆さんと講演をおこなった川村隆枝さんとの記念写真です。 2枚目 講師の川村隆枝さんがマイクを手に講演をおこなっています。 3枚目 子どもたちが手話で読み聞かせをする紙芝居を見ています。 4枚目 大人も子どもも参加者全員が手を高く上げ手話の拍手を送り合っています。 1「令和7年度奉仕員のつどい」 点字図書・録音図書製作等でご協力いただいている奉仕員の皆様へ感謝と敬意を表す行事「奉仕員のつどい」を、7月30日(水)、アイーナ研修室812で開催しました。 表彰式に続いて、介護老人保健施設老健たきざわ施設長の川村隆枝様をお迎えし、「映画「救いたい」誕生の経緯、とその後」というテーマでご講演いただきました。震災の中奮闘する麻酔科医の姿、ご自身の著書を原作とした映画製作にまつわるエピソード、大切な人を失った後の生き方などについてお話しいただきました。興味深い内容に参加者の皆さんは熱心に耳を傾けていました。 今年度表彰された方々は、次の通りです。 奉仕員のつどい表彰者一覧(敬称略) ◎岩手県社会福祉事業団理事長感謝状 小野寺 克子(点訳奉仕員) 佐藤 勝紀(点訳奉仕員) 伊藤 貞子(音訳奉仕員) 高橋 和子(音訳奉仕員) ◎岩手県図書館協会会長感謝状 菊池 孝則(点訳奉仕員) 志田 千枝子(点訳奉仕員) 花原 貴子(点訳奉仕員) 下川原 幸子(デジタル録音図書編集奉仕員) ◎岩手県身体障害者福祉協会会長感謝状 滝川 厚子(点訳奉仕員) 藤川 壽子(音訳校正奉仕員) 栗生澤 淑子(デジタル録音図書編集奉仕員) ◎岩手県視覚障害者福祉協会理事長感謝状 櫻 美子(点訳奉仕員) 晴山 牧子(点訳奉仕員) 豊島 まり子(音訳奉仕員) 星 紀子(音訳奉仕員) 三田 恭子(音訳奉仕員) 遠野 玲子(音訳校正奉仕員) 中村 直美(音訳校正奉仕員) 梅垣 泰子(デジタル録音図書編集奉仕員) 工藤 紀夫(デジタル録音図書編集奉仕員) 竹田 美代子(デジタル録音図書編集奉仕員) 深沢 守(デジタル録音図書編集奉仕員) ◎岩手県立視聴覚障がい者情報センター所長感謝状 石川 美世子(点訳奉仕員) 菊池 恵子(点訳奉仕員) 菊地 貴子(点訳奉仕員) 昆 英子(点訳奉仕員) 澤里 澄子(点訳奉仕員) 髙橋 洋子(点訳奉仕員) 高橋 勝恵(点訳奉仕員) 髙橋 のぞみ(音訳校正奉仕員) 畠山 一美(デジタル録音図書編集奉仕員) その他表彰を受けられた方 公益財団法人鉄道弘済会主催「第55回朗読録音奉仕者感謝のつどい」 ◎朗読録音奉仕者地区表彰 佐藤 美代子(音訳奉仕員) ◎校正奉仕者地区表彰 菅野 和枝(音訳校正奉仕員) ◎朗読録音奉仕奨励賞 三田 恭子(音訳奉仕員) 皆様お一人お一人のご奉仕に心から感謝申し上げます。 写真が1枚あります。 表彰式の様子です。受賞者に向けて表彰者が感謝状を読み上げています。 2「第55回東北・新潟・北海道ブロック点字図書館等連絡協議会」 当センターは今年度、東北・新潟・北海道ブロック点字図書館等連絡協議会の幹事を務めています。6月19日、20日はブロック内の施設長及び職員にご参加いただき、施設長会議・担当者会議を開催しました。 19日の会議では各施設の運営上の課題や、利用者サービスの向上に向けた取組みなど、多岐に渡り意見交換を行いました。20日は職員向けの研修として、盛岡市にある視覚障がい者のための手でみる博物館館長川又若菜様をお招きして、「触察がもたらす知識のバリアフリー」というテーマでご講演いただきました。参加された他施設の職員からは、手で触って「みる」という行為を実際に行ってみて、視覚によらず知識を得るためには、触るという行為がとても合理的であることに気づかされた、など様々な感想をいただきました。 また9月18日、19日は、各施設の職員と音訳に関わるボランティア向けに「音訳部会研修会」を開催しました。こちらについては別の機会にご報告できればと思います。 写真が2枚あります。 アイマスクをした参加者が、それぞれテーブルの上に置かれたツタンカーメンのマスクの模型やタヌキの剝製に触れています。 3「ドコモ・ハーティ講座「iPhoneSE便利機能体験編」を開催しました」 8月22日(金)にNTTドコモ ドコモ・ハーティ講座事務局の方を講師に迎え、iPhoneSEの音声読み上げ機能を使用した体験会を開催し、10名の方にご参加いただきました。 体験会では、実際にiPhoneを触りながら、操作を体験しました。便利なアプリの紹介では、文字などを音声で読み上げるアプリ「Seeing AI」を使って、カメラ機能で文字を読み取り音声で読み上げる体験や、全国紙などの新聞が聴けるアプリ「日本の新聞」を使って音声で新聞記事を聴く体験、衣服の色を読み上げるアプリ「衣服の色調べ」で自分の衣服などをカメラ機能で撮影し、音声で色を確認する体験をしました。はじめは操作が難しく感じられていた方も、慣れてくると楽しそうに体験されているのが印象的でした。今回の体験を通じて、iPhoneへの興味・関心が高まったとの声も多く寄せられました。 今後もiPhone体験会をはじめ、最新の視覚障がい者向け情報機器の紹介や体験会を開催する予定ですので、興味のある方はぜひご参加ください。 写真が1枚あります。 参加者がアイフォンを手に持ち、読み上げ機能を利用しながらアプリを操作しています。 4「令和7年度 視覚障がい者パソコンサポーター事業報告会・第1回現任者研修」 5月16日(金)、視覚障がい者パソコンサポーター事業報告会および第1回現任者研修を開催し、7名の方にご参加いただきました。 事業報告会では、センターより令和6年度に実施した視覚障がい者パソコンサポーター養成・派遣事業の報告と、令和7年度の事業予定について説明を行いました。 続いて、令和7年度第1回現任者研修では「視覚障がい者のスマートフォン利用について」をテーマに、スマートフォンに搭載されている支援技術や機能、利用者の方がよく使用されているアプリなどを紹介しました。 参加者の皆さまからいただいたご意見・ご要望は、今後の事業運営に活かしてまいります。 5「意思疎通支援研修会」 7月28日(月)、当センター研修室にて岩手県及び15市町の担当者22名にご出席いただき開催しました。 これまでは手話通訳がメインでしたが、今回は午前中に要約筆記通訳の説明や体験、市町村からの派遣事例紹介や難聴当事者からの講話等を実施しました。担当者の中には要約筆記を初めて見た方も多く、要約筆記がつくことで聴覚障がい者とのコミュニケーションが会話として成立することを感じていただけたようです。また難聴者の生の声にも、真剣に耳を傾けている様子でした。午後には会津若松市健康福祉部障がい者支援課の職員で手話通訳士の渡部芳博氏より、オンラインによる実践報告をしていたただき、同じ福祉課職員としてすぐに参考にできそうな情報をいただけたことで参加者から多くの質問が出ていました。今後もセンターと市町村担当者との連携のもと、意思疎通支援事業の円滑な執行と適切な派遣が図られるよう、研修会を開催してまいります。 写真が1枚あります。 参加者が要約筆記による通訳を体験しています。 6「令和7年度 点字・手話体験ミニスクール」 当センターでは小中学生等を対象に「点字・手話体験ミニスクール」を随時実施しています。 8月6日には「矢巾町ジュニアボランティア探検隊」の皆さんがセンターでミニスクールを受講しました。小学4年生~中学3年生までの9名が参加し、皆さん熱心に話を聞いていました。点字の体験では一覧表を見ながら、点字器で自分の名前を書くことに挑戦しました。手話体験では自分の名前の手話を講師から教えてもらい、手話でお互いに自己紹介ができるようになりました。今後も体験を通して視聴覚障がい者について知識と理解を深めていただけるよう、情報発信してまいります。 写真が1枚あります。 ミニスクールを受講している児童や生徒たちが、点字の一覧表を見ながら点字器で自分の名前を書いています。 7「聞こえない・聞こえにくい人のためのバリアフリー展」 第73回全国ろうあ者大会に併せて「聞こえない・聞こえにくい人のためのバリアフリー展」が6月13日~15日の3日間、アイーナ4階県民プラザを会場に、開催されました。出展企業は入れ替わりながら17社、来場者は延べ1,975名でした。 オープンな会場だったためか、大会参加者だけでなくアイーナをご利用の方々も足を運んでくださり大盛況でした。 さまざまな最新機器が訪れた方の興味をそそり、中でもカメラで映すと自分のアバターが画面に映し出され自分そっくりに動くブースには列ができていました。 また、目線の先に字幕が出て画面と一緒に楽しめるメガネや、手話通訳が俳優と一緒に動き、自然に舞台に溶け込んでいる劇の紹介など、機器の紹介だけにとどまらずエンタメ情報にも触れることができたバリアフリー展でした。 写真が1枚あります。 バリアフリー展の会場の様子です。多くのかたが来場し、出展企業のブースの前には行列ができています。 8「夏季 きこえない・きこえにくい子どもたちの一日フリースクール」 8月11日(日・祝)に当センター研修室にて、「《夏季》きこえない・きこえにくい子どもたちの一日フリースクール」を開催しました。当日は幼児児童学生17名とそのご家族12名にご参加いただきました。 子どもたちは、ジェンガで遊んだり、UNOなどのカードゲーム、塗り絵や折り紙、お絵描き、わなげなどをしてそれぞれに楽しい時間を過ごしました。 センターが担当するゲームの時間には、3グループに分かれて「ストラックアウト」を行いました。手話紙芝居では、手話で表現される美味しそうな雲の綿菓子やソフトクリームにくぎ付けになっていました。 子どもたちが目を輝かせて楽しんでいる間、別室では保護者の皆さんが、きこえないきこえにくい大人の皆さんや支援学校の教員、耳鼻咽喉科医師等専門の方々に日頃の悩みを相談したり体験を聞いたり交流を深めました。次回、冬のフリースクールにもご参加お待ちしています。 写真が1枚あります。 ストラックアウトに参加した子どもたちに、職員が手作りのメダルをプレゼントしています。 9「目で聴くテレビ 「食べて・飲んで 大満足!『盛岡市材木町よ市』探訪」 障害者放送機構「目で聴くテレビ」は聴覚障がい者のための放送局です。全国各地の番組などを手話・字幕付きで放送しています。各地の聴覚障がい者情報提供施設が同局に対して番組制作協力を行っており、当センターからも毎年番組を提供しています。今回提供した番組は「食べて・飲んで・大満足!盛岡市材木町よ市探訪」です。1974年から毎年4月~11月の毎週土曜日に開催される『よ市』は盛岡駅から徒歩10分、430mの路上市。新鮮な野菜や美味しいグルメ、雑貨などたくさんの店舗が並びます。子供からお年寄りまで幅広い客層で賑わう「よ市」を目で聴くテレビで絶賛放送中です!また当センターでも視聴できますので、ぜひご覧ください! 写真が1枚あります。 目で聞くテレビの撮影の様子です。出演者がよ市で買った飲み物を持ち笑顔を見せています。 10「お知らせ」 視覚部門 センスプレーヤー体験会開催 開催日:令和7年11月19日(水) 会場:岩手県立視聴覚障がい者情報センター研修室 詳細は決まり次第お知らせします。 聴覚部門 施設利用の一部制限について 12月5日(金)17時から21時 6日(土)9 時から17時 「令和7年度岩手県手話通訳者登録試験」実施のため、閲覧室を除きセンター内施設がご利用できません。 ご不便をおかけしますがご理解ご協力をお願いします。 11「新任職員の紹介」 点字校正員 花原 貴子 6月から点字校正員として勤務しております、関西生まれの関西育ちです。盛岡に来て9年になりました。読書が好きで、点訳奉仕員の活動を通して自分では選ばなかった新しい本に出会えることを楽しんでいます。今は会議資料などの点訳がメインですが、これからも正確な点訳を心掛けて頑張ります。どうぞよろしくお願いいたします。 写真が1枚あります。 花原貴子さんです。 12「職員エッセイdeリレー」 「幼い頃の記憶」 情報支援員 小野寺恵 「二十三夜さん」と呼ばれるその日は夕方になると、近所のば様たちがよそ行きを着て(当時は皆様お着物!)次々と集まってくる。今風?に言うとミニパーティのよう、座敷のテーブルにご馳走が並べられ愉快に飲み食いをしていた。そぉっと障子の隙間から興味津々で覗いていたあの謎の集まり。ご近所持ち回りで開催されていたよう。 何十年たったある日、何の目的もなくたまたま入った民族博物館で謎が解けた!そこには「二十三夜講」「月待行事」「勢至菩薩」などの言葉が並んでいた。楽しみが少なかった時代、夜でも女性が気兼ねなく集まって楽しめる行事だったようだ。 それにしても…デリバリーのなかった時代にお嫁ちゃん世代は準備でどれだけ大変だったことか想像に難くない。それが理由なのか?住宅事情がそれを許さなくなったのか?残念ながら頑張っていたお嫁ちゃんたちは報われることなく地元では開かれなくなっていた。 ば様たちがほろ酔いになっていた卵酒…飲んでみたかったな~。 (次回は里舘佑夏IT推進専門員にバトンタッチ) 発行/岩手県立視聴覚障がい者情報センター 〒020-0045 岩手県盛岡市盛岡駅西通1―7―1 いわて県民情報交流センター(アイーナ)4階 電話 019-606-1743    FAX 019-606-1744 メール iwatesan@aiina.jp URL https://www.aiina.jp/site/sityoukaku/ 次回 令和8年2月発行予定 「タペストリー」とは 皆で持ち味や個性を織り糸にして、創りあげるセンター、との願いです。感想・ご意見などありましたら、お寄せ下さい。岩手県立視聴覚障がい者情報センターだより