令和6年度「いわて家庭の日」絵画・ポスターコンクールの入賞作品一覧とコンクールの講評を公開しました。
児童の部【絵画部門】
最優秀賞
「家ぞくで、ナニャドヤラに出てすごく楽しかったよ」
洋野町立大野小学校2年
上野 華子(うわの かこ)さん
家族でお祭りに参加したナニャドヤラの楽しさがよく伝わってくる作品です。一人ひとりの手の描写から動きが上手く表現されていて、今にもナニャドヤラの太鼓のリズムと歌が聞こえてきそうです。背景は、夜の暗さの中にあたたかい色を何色も重ねることで、お祭りの明るく賑やかな様子が感じられ、「楽しさ」を伝える工夫が感じられました。
優秀賞
「家族とおぼん」
奥州市立水沢小学校6年
菊地 真央(きくち まお)さん
お盆は、家族みんなでご先祖様をお迎えするといういつもの光景、家族の笑顔が家庭のあたたかさを伝えてくれる作品です。茄子やキュウリを手前に置いたことでお盆の情景だと想像ができ、お膳の料理も詳しく描かれており「いわてのお盆の原風景」を感じさせてくれました。「いわて家庭の日」の文字の彩色の工夫やバックの淡い彩色で表現したいことがより鮮明になっています。
「家ぞくでピクニック」
北上市立江釣子小学校3年
髙橋 千恵(たかはし ちあや)さん
晴れた日に家族でピクニックに行き、お弁当を囲みながらワイワイ楽しく過ごした様子がよく伝わってくる作品です。お握りを笑顔で頬張り、「はい食べて」と渡してあげている一人一人の表情から、家族の一員ペットも一緒に家族の時間を大切にしているのだろうなと思いました。お弁当のおかずも詳しく丁寧に描かれています。
優良賞
「家族と夜に虫とり」
洋野町立大野小学校4年
一本松 大翔(いっぽんまつ はると)さん
夏の夜、家族で虫とりに行ったワクワク感とドキドキがよく伝わってくる作品です。樹液の出る木に灯りを照らし大翔さんを優しいまなざしで見守る家族の顔、顔や虫とり網を握る手から「見つけた、よし捕まえるぞ」とゆっくり近づく様子が想像できます。緑の絵の具を混ぜ合わせ深い森を表現し、顔は明るい色を使っているコントラストにより楽しい様子が良く伝わってきます。
「家族写真」
はたけアートスクール (盛岡市立仁王小学校5年)
和田 千蓉(わだ ちよ)さん
家族一人一人の表情から家族の明るさがよく伝わってくる作品です。水彩絵の具を上手に使い画用紙の白さを生かしながら、青い空と緑の木々、一人一人の髪や服などとてもよく表現されています。写真を見ている人も笑顔だろうと想像できます。きっと心の中に写真のような笑顔の家族がいつもいるのでしょう。
児童の部【絵日記部門】
最優秀賞
「地区民運動会」
花巻市立新堀小学校5年
大富 仁菜(おおとみ にいな)さん
家族で参加した地区民運動会をそれぞれの役割で楽しむ様子がよく伝わってくる作品です。神楽を舞っている仁菜さんを中央に大きく描き、周りには、音楽を奏でる父と祖母を音符で囲み、さんさ踊りを踊る母と弟、おふるまいの豚汁、そして餅まきが描かれています。絵と文章から地域の運動会を大切にしている家族の強い絆を感じました。
優秀賞
「家の田うえ」
一関市立厳美小学校3年
佐々木 幸汰(ささき こうた)さん
家族で協力して大きな田んぼの田植えをしている様子がよく伝わってくる作品です。大きな機械で苗を植えている様子や手伝いに来た人を上から見たように描いた視点が、素晴らしいです。苗を運ぶ仕事をしている幸汰さんの笑顔や稲刈りを頑張りたいという日記から農作業が家族をつなぐ「大切なこと」なのだと感じました。
優良賞
「あさがお」
宮古市立宮古小学校1年
佐々木 彩葉(ささき いろは)さん
1年生が夏休みも観察を続けているあさがおの花が咲いた日の感動と発見が、日記と絵からよく伝わってくる作品です。「つぼみをほどいていて」「おねぼうだね」という表現から、あさがおを囲んで家族が楽しい一時を過ごしていたでしょうと想像されます。あさがおもよく描かれています。
生徒の部
最優秀賞
「家族と散歩」
釜石市立甲子中学校2年
林野 黎(はやしの れい)さん
家族と一緒に海岸沿いの道路を歩いた楽しい思い出がよく伝わってくる作品です。水彩の技法を効果的に使って快晴の空や海が輝いている情景を表現していて、画面の中に吸い込まれそうです。子どもたちが元気に走っていたり胡坐をかいて待っていたりと一人一人の動きの描写や様々な雲と飛行機まで繊細に描かれており素晴らしい力作でした。
優秀賞
「遺跡のそばで」
矢巾町立矢巾北中学校2年
金野 ひな(こんの ひな)さん
家族で遺跡巡りを楽しんだ様子がよく伝わる作品です。ポーズを決めて立っている親子の表情は、目や頬が強調されていて楽しさをより引き立たせてくれています。バックの遺跡の構図も工夫されていて、空高くそびえ立っていたという感動を伝えてくれています。黒と白を効果的に使い描きたいものを明確にした作品に仕上がりました。
優良賞
「照井家」
花巻市立花巻中学校3年
照井 日那(てるい ひな)さん
家族の仲の良さがよく伝わってくる作品です。家族4人が肩を寄せ合い満面の笑顔から、会話をしながら春の喜びの思い出の1ページを残しておきたい気持ちが画面いっぱいに表現されています。バックの鮮明な青や白い花と花びらにより、爽やかな家族の印象を強くしてくれています。
「鍋より温かい家族」
盛岡市立見前中学校2年
佐藤 柚希(さとう ゆずき)さん
家族団らんの温かさがとてもよく伝わってくる作品です。一人一人の表情が繊細に描かれておりとても素晴らしいです。子どもたちが右手に持っているお玉とスプーン、こたつ布団の模様、そして立ち上る湯気から家族の楽しい会話が聞こえてきそうです。色使いやタッチ、印影のつけ方なども工夫された力作です。
特別賞
「おいしそうにできたよ」
矢巾町立矢巾中学校1年
佐々木 翼(ささき つばさ)さん
大切な祖父への深い愛情がよく伝わってくる作品です。祖父の「おいしそうにできた」という喜びの表情やゴーヤと木と葉の細部まで鉛筆で明暗をつけて描いており、迫力ある画力に圧倒されました。翼さんの自慢の祖父なのでしょうね。家庭や親子のふれ合いを深めるきっかけとする日の絵画という趣旨から、今回は特別賞とさせていただきました。
「幸せな時間」
矢巾町立矢巾北中学校1年
中島 莉子(なかじま りこ)さん
家族でアルバムの1ページをめくる優しい気持ちがよく伝わってくる作品です。家族3人の画面構成、動きのある髪の毛、そして真ん中でアルバムを見つめる子どもの表情など大変素晴らしかったです。四つ切画用紙に描かれており、応募要項の絵画サイズ「八つ切画用紙のみ」から外れていたことから、今回は特別賞とさせていただきました。
全体として
今年度は、中学生の応募が増え、全体としても応募作品は微増しました。本コンクールの趣旨をご理解いただき、応募してくださった学校や団体があったことに感謝申し上げます。また、昨年度から始まり2年目となった絵日記部門への応募も増えてきたこともありがたいことでした。
「いわて家庭の日」の趣旨は、「青少年の健やかな成長のために、家庭の果たす役割を確認し、家庭の大切さを呼びかけ、家庭・親子のふれあいを深めるきっかけとする日」であります。応募作品一つ一つをじっくりと拝見させていただきましたが、「今年も力作ぞろいだ」と審査委員も選考に苦労しました。どの作品にも描いている子どもたちの家族への愛情が感じられ、家庭・親子のふれあいのよさや温かさに心がホッとしました。子どもたちの家族への思いの詰まった作品を県内外の多くの方々にもご覧いただければ幸いです。
子どもたちにとって一番安心できる居心地のよい場所である家庭について、改めて考え思いを巡らせる一助となりますことを願っています。
終わりに、子どもたちの素晴らしい作品づくりを見守り、応援していただいた保護者の皆様、各学校の先生方、そして関係各位の皆様に感謝申し上げます。
令和6年度「いわて家庭の日」絵画・絵日記コンクール優秀作品選考委員会
- 委員長 大場 江利子 (岩手県小学校図画工作部会・大船渡市立末崎小学校長)
- 委 員 雪ノ浦 達雄 (岩手県教育研究会美術部会・盛岡市立巻堀中学校副校長)
- 委 員 藤井 茂樹 (岩手県環境生活部若者女性協働推進室青少年・男女共同参画課長)
(代理 浅沼 公紀(岩手県環境生活部若者女性協働推進室主任主査)) - 委 員 五十嵐 のぶ代 ((公社)岩手県青少年育成県民会議副会長)