新着案内いわてさんNo.177- 今月の特集
今月の特集~スタッフ&利用者様からのおすすめ
今年もご利用ありがとうございました。今月は当センターのスタッフとセンターで職場体験実習をした聴覚支援学校の生徒さん、そして本誌で募集した利用者様からのおすすめの本を紹介します。それぞれの一言も添えていますので、気になる本がありましたらリクエストをお寄せください。所蔵形態の後に(他)とあるのは他施設所蔵の図書です。岩手県内にお住いの方には当センター経由で貸出しが可能です。また、本欄で取り上げた音声デイジー図書をテーマごとにまとめた「特集パック」も用意しています。利用の方法など詳細はお問合せください。
スタッフからのおすすめ
弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門
安藤なつ、太田差惠子著
所蔵:音声デイジー(他)
内容:介護はライフステージのひとつ。親と自分のお金&時間を守るには。介護保険の基本から介護サービス、離れて暮らす親のサポートまでを、介護歴約20年の安藤なつと介護・暮らしジャーナリスト・太田差惠子との会話形式で解説。
一言:わかりやすくて、今すぐどうにかしなければいけない状況ではないけれど、準備はしたいという私にはぴったりでした。点字図書は他施設で製作中です。
樹木たちの知られざる生活
ペーター・ヴォールレーベン著 長谷川圭訳
所蔵:点字(他) 音声デイジー テキストデイジー(他)
内容:樹木たちはコミュニケーションを取り合い、ときに助け合う。その一方で熾烈な縄張り争いをも繰り広げる。ドイツの森林管理官が、木や森の真実を語る。
一言:木はじっとしているのではなかった。木々は語り合い、異なる樹種間でも栄養分や光を分かち合う。子育てもする。人間社会も見習うべき驚きの知恵の連続…。森を散策しながら木たちからいろいろ教わりたくなります。
おいしいベランダ。
竹岡葉月著
所蔵:点字(他) 音声デイジー(他) テキストデイジー(他)
内容:進学を機に一人暮らしを始めたまもりは、お隣のイケメンデザイナー葉二にあこがれていたが、ひょんなことからその真の姿を知ることに。彼はベランダを鉢植えであふれさせ、植物を育てては食す園芸男子で…!?
一言:美味しいごはんは、二人で作って食べると倍美味しくなる、まもりとようじのやり取りがそう思わせてくれます。思わず吹き出してしまう文面もあって、とにかく明るく楽しい気分になれる本です。
大河への道
立川志の輔原作
所蔵:点字(他) 音声デイジー(他)
内容:伊能忠敬の故郷の市役所に勤める池本は、NHKに提出する伊能忠敬ドラマのあらすじを脚本家に依頼する。難渋する脚本家は、伊能図が将軍に上呈されたときには忠敬が亡くなっていた事実を知り…。
一言:立川志の輔の新作落語を小説にしたものです。2022年には映画化もされました。大河ドラマが決まるには、こんな売込みがあるんだと驚きました。毎年大河ドラマを楽しみにしている人たちにおすすめしたい1冊です。
氷菓
米澤穂信著
所蔵:点字(他) 音声デイジー(他)
内容:何事にも積極的に関わらない奉太郎が、姉の命令で入部させられた古典部で、部員の少女の叔父が関わった三十三年前に起きた事件の真相に迫る。省エネ少年と好奇心少女が繰り広げる青春ミステリー。
一言:『黒牢城』で直木賞を受賞した米澤穂信の初期の人気作「古典部シリーズ」の第1作。ある地方の高校生男女4人が、校内で起こる小さな事件に関わり、解決していくお話。私は京都アニメーション制作のアニメから入り、後から原作を買いました。ミステリーでもあり、ほろ苦い群像劇でもあり、様々な楽しみ方ができる本(シリーズ)だと思います。
きみにしか聞こえない
乙一著
所蔵:点字(他) カセット(他) 音声デイジー(他)
内容:携帯電話をもっていない孤独な女子高生リョウ。ある日、自分だけの携帯電話を想像していると、空想のはずの頭の中の電話が着信音を鳴らし始めて…。さみしい気持ちが生んだ小さな奇蹟を描いた表題作ほか、全3作を収録。
一言:学生の時に乙一作品にハマり、ほとんどの作品を読みましたが、特に印象に残っている作品がこの一冊です。おすすめです。
きのうのオレンジ
藤岡陽子著
所蔵:点字(他) 音声デイジー(他)
内容:33歳の遼賀が受けた胃がん宣告。迫りくる死の恐怖の中で思い出すのは、15歳の頃、弟の恭平と雪山で遭難したあの日のこと…。がん宣告を受けた〈彼〉と、彼を支える〈家族〉の物語。『小説すばる』連載を加筆し単行本化。
一言:癌に侵され33歳で命を終えなくてはならなくなった主人公とそれをとりまく人々の物語。主人公の無念や心の葛藤や家族への感謝の気持ちに心揺さぶられます。ハッピーエンドではないのですが、しみじみするお話です。
天切り松闇がたり 闇の花道
浅田次郎著
所蔵:点字(他) カセット(他) 音声デイジー(他)
内容:夜更け、雑居房に、天切り松と呼ばれた夜盗が入れられた。松は、六尺四方から先には聞こえないという独特の話し方“闇がたり”で、自らの半生を語り出す。伝説の大泥棒が追憶する、愛と涙の裏稼業。
一言:「目細の安吉」一家のなんと粋なこと、カッコいいこと!そのダンディズムに痺れます。
おつかれ、今日の私。
ジェーン・スー著
所蔵:点字(他) 音声デイジー(他)
内容:今日の疲れは、今日のうちにさよなら-。つい頑張っちゃう人に向けて、そっと小さな声で「おつかれ」と声を掛けるように綴ったセルフケア・エッセイ全48篇。ウェブサイトの連載を書籍化。
一言:誰にでも労われたい夜がある。今日の疲れは今日のうちに。そんな日に励まされるエッセイがたくさんつまっています。自分の思考の癖に気付かされた一冊でもあります。
窓際のトットちゃん
黒柳徹子著
所蔵:点字 カセット 音声デイジー(他)
内容:著者が学んだトモエ学園のユニークな教育とそこに学ぶ子供たちをいきいきと描いた、自伝的エッセイ。
一言:言わずと知れた大ベストセラーですね。最近続編が出版されたので、再読しました。デイジー版にはなんと黒柳さんが音訳しているものがあります。さすが本人、トットちゃんの様子がより生き生きと感じられました。
職場体験実習生と利用者様からのおすすめ
昭和の車掌奮闘記
坂本衛著
所蔵:音声デイジー(他)
内容:戦後復興期に日本国有鉄道に入社し、退職するまで「一車掌」として働き続けた著者。車内での様々な体験や感じたことを綴った、列車の中の昭和史。
一言:国鉄の大阪車掌区を退職した方が書いた本です。
食堂車乗務員物語
宇都宮照信著
所蔵:点字(他) 音声デイジー(他)
内容:かつては贅沢な旅の象徴であり、憧れの鉄道旅行の代表格であった食堂車。その食堂車に約30年間乗務していた著者が、食堂車の歴史や体験談を綴る。
一言:日本食堂の博多営業所で働いていた方の体験記です。
新幹線ガール
徳渕真利子著
所蔵:点字(他) カセット(他) 音声デイジー(他)
内容:アルバイト採用なのに、ワゴン販売で抜群の成績を上げ、たちまち正社員となった著者が語る「職場としての新幹線」と「新幹線パーサーという仕事」。
一言:東海道新幹線の車内販売をしていた方の体験記です。「昭和の車掌奮闘記」と「食堂車乗務員物語」と「新幹線ガール」はいずれも体験記なので、その職業がよく分かる気がしました。
劇場版シティーハンター〈新宿プライベート・アイズ〉公式ノベライズ
北条司原作 加藤陽一脚本 福井健太著
所蔵:点字(他) 音声デイジー(他)
内容:何者かに狙われる美女・進藤亜衣は、裏社会ナンバーワンの始末屋・冴羽にボディガードを依頼する。冴羽はそれを快諾するものの、その夜にアパートが武装集団に襲われ…。2019年2月公開映画のノベライズ。
一言:主人公には圧倒的な強さで依頼人を守るかっこよさと、女好きという残念な部分があり面白いです。思春期の男子のような感性を持っている人には最高だと思います。
今日から俺は!!劇場版
西森博之原作 江橋よしのり著 福田雄一脚本・監督
所蔵:点字(他) 音声デイジー[合成音](他) テキストデイジー(他)
内容:980年代。千葉・軟葉高校に転校したのをきかっけにツッパリデビューした貴志と真司。3年生になったある日、極悪と評判の開久高校に、隣町の北根壊高校が間借りすることになるが…。2020年7月公開映画のノベライズ。
一言:ヤンキーの主人公達がやんちゃする物語です。とてもアホだけど強くてかっこよく、昔のヤンキーを彷彿させます。