岩手県立視聴覚障がい者情報センター
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新着案内いわてさんNo.165- 今月の特集

今月の特集~スタッフのおすすめ

今年もご利用ありがとうございました。今月は当センターのスタッフと、センターで職場体験実習をした聴覚支援学校の生徒さんからのおすすめの本を紹介します。スタッフと生徒さんからの一言も添えていますので、気になる本がありましたらリクエストをお寄せください。
所蔵形態の後に(他)とあるのは他施設所蔵の図書です。岩手県内にお住いの方には当センター経由で貸出しが可能です。また、本欄で取り上げた音声デイジー図書をテーマごとにまとめた「特集パック」も用意しています。利用の方法など詳細はお問合せください。


触楽入門
テクタイル著
所蔵:点字(他) 音声デイジー(他)
内容:つねにネットに接続し、皮膚感覚を失ってゆく私たち。もしも触覚がなくなったら?触覚は「五感の交差点」?おでこが網膜のかわりになる?「触れる」ということの面白さを紹介します。
一言:日常、無意識にしている「さわる」という行為を考える本です。触覚が生み出す可能性にとてもワクワクしました。


つけびの村
高橋ユキ著
所蔵:点字(他) 音声デイジー(他) テキストデイジー(他)
内容:一夜に5人の村人が殺害された集落。犯人の家に貼られた川柳「つけびして煙り喜ぶ田舎者」は〈戦慄の犯行予告〉として世間を騒がせたが…。山口連続殺人放火事件を追いかけるルポルタージュ。
一言:事件当時、世間をかなりにぎわせた事件です。著者がとても丁寧に取材しており、ワイドショーやネットニュースでは報じられることのなかった面が見えてきます。マスコミ報道の見方を考えされられました。
 

オトナ語の謎。
糸井重里監修
所蔵:点字(他) カセット(他) 音声デイジー(他)
内容:オトナの世界は謎めいた言葉に満ちている。辞書には載っていないさまざまな意味が込められている「オトナ語」を紹介。
一言:職場などでは普通に使われているけれど、よく考えると「
なんじゃそりゃ?」な言葉や言い回し。実際に使われる場面も描写されていて笑えます。


一橋桐子〈76〉の犯罪日記
原田ひ香著
所蔵:点字(他) 音声デイジー(他)
内容:わずかな年金と清掃のパートで細々と暮らす一橋桐子76歳には貯金がない。ある日テレビで、収容された高齢受刑者が介護されている映像を見た桐子は、「刑務所に入りたい」と願うように…。
一言:真面目で人柄の良いお婆ちゃんが突拍子もない事を思いつく、ユーモラスな展開です。最終的に桐子さんは出会った人たちがいい人でまわりに助けられますが、これはもう、桐子さんの人柄のおかげ!?自分がヨボヨボになったときのことを考えると、一抹の不安を覚えます。


おばさん探偵ミス・メープル
柊坂明日子著
所蔵:点字(他) カセット(他) 音声デイジー(他)
内容:都内一等地に建つ一軒家に住む楓子さんの正体は、本人的には大変不本意ながら、売れっ子の覆面ハードボイルド作家だ。令和に生きながらも心は永遠に昭和とともにある、おっとり者の《おばさん名探偵》、ここに誕生!
一言:日常のちょっとした不思議から殺人事件まで解決してしまうおばさん名探偵楓子さんの活躍も楽しみですが、昔はお金持ちのお嬢様だったという楓子さんの暮らしぶりも非日常的で面白かったです。


厚田村 上・下
松山善三著
所蔵:点字(他) カセット 音声デイジー
内容:「生きること」はこれほどまでに厳しいものなのか。北海の荒波を背に、世津は幾度も生まれ変わった…。明治38年、北の地の貧しい漁村厚田村を舞台にした物語。
一言:1900年代前半の北海道を舞台にした小説です。気軽に旅行のできない今だからこそ、読書で旅をするのも良いものですね。怒涛の時代を体感するかのように一心不乱に、読んでしまいました。


桜のような僕の恋人
宇山佳佑著
所蔵:点字(他) カセット(他) 音声デイジー(他)
内容:美容師の美咲と、カメラマンを目指す晴人。恋人として幸せに過ごしていた二人だったが、美咲が、人の何十倍もの早さで年老いる難病を発症してしまう。老婆になっていく姿を晴人にだけは見せたくないと悩む美咲は…。
一言:自分の中の気持ち、大切な人への気持ち、自分の中で大事にすべきものなど、大切なものを思い出させてくれる1冊。


一瞬を生きる君を、僕は永遠に忘れない
冬野夜空著
所蔵:点字(他) 音声デイジー(他)
内容:クラスの人気者・香織から専属カメラマンに任命された輝彦。突如始まった撮影生活は、自由奔放な香織に振り回されっぱなし。しかしある時、彼女が明るい笑顔の裏で、重い病と闘っていると知り…。
一言:切なくも心温まる物語。瑞々しい「恋」のガイドラインに大納得。
 

シークレット・ペイン
前川ほまれ著
所蔵:点字(他) 音声デイジー(他)
内容:矯正医官となった精神科医の工藤が見たのは罪を犯しながらも民間と同等の医療行為を受けている受刑者たちの姿。受刑者たちに複雑な感情を抱く工藤。さらに彼の気持ちをかき乱したのは、医師を志望するきっかけを作った男との邂逅だった。
一言:この物語はフィクションですが、医療刑務所がどういったところなのか、何が行われているのか、実態を知ることができる作品になっています。主人公の工藤と、工藤の赴任先の医療刑務所で再会した昔の友人。ふたりそれぞれの過去が明かされたとき、胸が締め付けられそうになりました。
 

上野千鶴子のサバイバル語録
上野千鶴子著
所蔵:点字(他) 音声デイジー(他) テキストデイジー(他)
内容:「逆風は快楽である」「立ちはだかる壁は、迂回せよ」「母娘対決のタイミングを逃すな」「年下の友人をつくる秘訣」…。仕事、結婚、家族、老後を乗り切るための語録集。
一言:2019年の東大入学式の祝辞で話題となった上野千鶴子の語録集。「今を生き抜く女性のために」とありますが、男性でもその言葉に納得したり、考えさせられたりと十分楽しめる1冊です。私がいつもカバンに入れているおすすめの本、ぜひ皆さんにも読んでいただきたいです。


夜と霧 新版
ヴィクトール・E.フランクル著 池田香代子訳
所蔵:点字(他) カセット(他) 音声デイジー(他) テキストデイジー(他)
内容:心理学者、強制収容所を体験する―。飾りのないこの原題から、永遠のロングセラーは生まれた。原著の改訂版である1977年版にもとづき、新たな訳者で新編集。人間の偉大と悲惨をあますところなく描く。
一言:第二次大戦中のユダヤ人強制収容所。どうして人間が人間にこんなことができるのか、にわかには現実のこととは受け止められない。今も世界で軍事侵攻が続き、非人道的なことが繰り返されている。過酷な極限状態から生還した人の精神力、偉大さには、生きること、生き抜くことの意味が凝縮し、気持ちが引き締まります。

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