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岩手県内先進企業取材レポート

<第八回目>  株式会社ミクニ 盛岡事業所

株式会社ミクニの省エネ活動の取り組みについてご紹介​​                                                                                                                                                                                                         

岩手県では、省エネや再生可能エネルギー導入等に積極的に取り組む事業者を表彰する制度「できることからECOアクション!」を実施しており、令和6年度の脱炭素経営大賞に株式会社ミクニ盛岡事業所(以下略:ミクニ盛岡事業所)が選ばれました。

ミクニ盛岡事業所は、株式会社ミクニ(以下略:ミクニ)の国内拠点の一つであり、主にモビリティー製品や家庭用ガス機器などの制御デバイスの製造に加え、これらの製品開発、モノづくり要素技術開発を行っています。

ミクニグループでは企業理念として「私たちは地球的視野にたち、人と技術を生かし豊かな社会づくりに貢献します」を掲げており、これを履行するべく様々なリスクや課題に真摯に向き合って活動しています。とりわけ、「気候変動問題」は地球規模の課題として認識しており、自社目標である2050年カーボンニュートラル達成に向け、様々な取り組みを行っています。今回は、ミクニ盛岡事業所が実際に取り組んでいる省エネ推進活動の内容について、ご紹介します。

 

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      【ミクニ盛岡事業所の社員の皆さん:左からサステナビリティ推進室松尾さん、

       サプライチェーン本部生産企画センター上和野さん、生産管理グループ田村さん、

       サプライチェーン本部滝沢工場佐藤さん】

 

 

【省エネ推進活動の取り組みについて】

 

①エネルギー監視システム​の活用​

設備稼働状態監視システムにより得られる電力、エア、水使用量などのデータを分析、エネルギーロス低減に取り組んでいます。(出典①参照)特にエネルギーに占める電力の比率が高いことから、設備の低消費電力タイプへの置き換え、待機電力の削減、最適条件での設備稼働実現などを優先して取り組んでいます。また、多くの設備の駆動源として使用している圧縮エアの供給設備(コンプレッサ)の消費電力の抑制も重要な課題ですので、圧縮エアの供給経路漏れがないか可視化ツールを使いチェックしています。

 

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            【出典①:ミクニ盛岡事業所環境活動のご案内9P】

 

エネルギー監視システムはあくまでツールであり、取得した情報をいかに活用し、効果に結びつける仕組みづくりが何より重要です。
ミクニ盛岡事業所では、2013年6月に省エネ部会(当時は委員会)を発足し、現在まで毎月定例で活動を継続しています。

発足当初は、「電気使用量を減らそう」という掛け声のもと、「まずはできるところからコツコツ取り組む」という方針で、各部署から集めたアイデアを一つずつ実現し、成果を積み上げてきました。現在では、エネルギーの「見える化」が進み、どこにどれだけ使用しているのかが明確になりました。その結果、昼夜間を含む時間単位での使用量の増減や、休日の不要な電力使用などについて、いつでも詳細な分析が可能となり、より具体的な対策を協議できる環境へと進化しています。このような成果が得られた背景には、早い段階からの取り組みによって省エネ意識が醸成され、活動が定着したことが大きく影響しています。

また、エネルギー使用量削減に加えて、使用電力のCO₂フリー化にも取り組んでいます。再生可能エネルギー電力の比率を段階的に増加させており、年内には場内建屋屋上へのソーラーパネル設置が完了し、オンサイトPPAによる再生可能エネルギー電力の利用が可能となる予定です(出典②参照)。
CO₂削減目標の達成に向けては、非化石由来の電力が価格面で選択しやすくなったことが追い風となっていますが、事業活動における消費エネルギー削減は引き続き重要なテーマです。これまで培ってきた省エネ活動による努力を継続し、さらなる効果を追求していきます。

 

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            【出典②:ミクニ盛岡事業所環境活動のご案内12P】

 

 

②輸送方法変更によるCO₂削減     

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            【出典③:ミクニ盛岡事業所環境活動のご案内11P】

 

自社の目標であるサプライチェーンにおけるCO₂排出量削減の取り組みの一環として、製品輸送手段の変更(モーダルシフト)を実施しています。

従来のトラック輸送を鉄道貨物に切り替えることで、CO₂排出量の削減にとどまらず、物流2024年問題として懸念されていたドライバーの負荷軽減や輸送コストの半減など、大きな効果を得ることができました。
この実現にあたっては、鉄道運休リスクや輸送リードタイムの増加といった課題がありましたが、海外輸出向け製品に限定することでリスクの低減を図り、実現可能としました。

 

 

◎今後の取り組みについて​

      

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          【グループ会社様が製造販売している置くだけエコ加湿器】

 

引き続きこれまでの生産性向上を含む消費エネルギー削減活動の深化に加え、輸送については他社との混載やルート見直しなど、連携も視野に入れつつ最適解を見つけていこうと考えております。

 

株式会社ミクニ  概要

●創立           1923年10月1日(大正12年)​

●設立           1948年10月1日(昭和23年)

●資本金          22億1,530万円   

●本社所在地        東京都千代田区外神田6-13-11

●主要な事業内容      各種四輪車・二輪車・汎用エンジン用の燃料供給装置類・エンジン機能部品類、ガス機器用制御機器類、                                                                                                                                        

              福祉介護機器、噴霧機器の製造販売並びに航空宇宙用機器・部品・材料、芝刈り機・芝管理機械の輸入販売

ホームページ:株式会社ミクニ  コーポレートページ

https://www.mikuni.co.jp/<外部リンク>

 

取材担当 :峠舘

 

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